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「では本日はこれでお開きとなります」
ぶるぶるぶる。
iPhoneにfacebookのメッセージが着信している。
「いま、柏駅で同窓会してるよ。こよーよ!(原文ママ)」
毎月1回、土曜の夜に行なわれる自治会の集会が終わる頃こんなメッセージが届いた。
発信者は小川だ。
小川とは小学校と中学校が一緒で、漫画を描いて遊んでいた友達だが、卒業してからは高校時代に一度会ったきりだ。
それが最近、facebookを使って小川がワシを見つけ出した。
しかしそれはfacebookだけの付き合いなので、実際に高校以来会ったことはない。
お互い結婚をし子供も授かったわけだし、いろいろと積もる話もある。
一度会いたいと思っていた。
柏駅に着くと、二次会が始まるところだというので東口にある洒落た洋風の飲み屋へと急ぐ。
その店へと続く路地の曲がり角で、なにやら大型の動物に出くわした。
小川だ。
「よう、久しぶり」
「!?・・すずめ?・・お、おおお!!!」
ワシの変わり様に驚いているようだ。
歩きながらワシは言った。
「お前、ぜんっぜん変わってねーな。歩きかたまで同じだぜ」
「か、変わったよ!!」
子供の頃から変わらないそのプーさんのような風体で小川はそう言った。
その洒落た飲み屋は2階にあって、階上の入り口で受付しているために、階段の下まで「同窓生」たちで溢れている。
そこに岡田くんがいた。
岡田くんも小学校の低学年の頃、ワシと漫画を描いて遊んでいた友達だ。絵を描く楽しさを彼は最初に教えてくれた。
「岡田あきひさだろ?」
「・・・・・そんでさぁ・・ぺちゃくちゃ・・」
完全に無視された。
岡田くんの頭の中では、この坊主頭でメガネでヒゲの丸い顔したおじさんを自分のデータベースに照会し、一致する顔がないと判断すると瞬時に危険回避行動をとったと思われる。
変な人にからまれないための緊急的措置なのだろう、仕方がない。
列が進み入り口の受付までやってきた。
「すずめだけど、いくら?」
するとそこにいたガタイの良い男が言った。
「!?・・・すずめ?」
「だれ?」
「河村だよ!!」
「おお!河村!?」
「変わったな!」
「お前もな!」
河村とは中学時代、水泳部で一緒だった。
一年のときにニュージャージーから引っ越して来た帰国子女で、ワシが初めて接した、リアルな「アメリカ文化」そのもののような存在だった。
ワシにクワイエットライオットを教え、趣味は1ペニーの収集、乗ってる自転車は本場のBMXで、前ブレーキは左側のハンドルに付いていた。
運動神経は抜群、勉強も学年トップクラス。
ただ、細身でつり目にメガネを掛けたその風貌はカマキリに似ていた。
しかし目の前にいるその男の顔は以前より丸くなり、アメフトで鍛えたその体は胸板が厚く腕も太い、それにトレードマークのメガネはもう掛けていない。もはや「カマキリ」ではなかった。
店内へ入るとそこには数十人のかつての中学生が酔っぱらっていた。
「お前誰?」
少し濃いめの顔をしたおっさんが声をかけて来た。
「お前こそ誰だ」
すると近くから「ダイヤ」だよという声が聞こえた。
小学校の低学年の時にワシのクラスにソ連から転校してきたハーフロシアンだ。
「ワシはすずめだ」
「!?・・すずめ?」
周りを見渡すと、皆が不思議そうにワシを見つめている。
「すずめ・・・うそだろ・・・」
黙って席に着くと目の前の見覚えのない女性が声をかけて来た。
「・・・すずめ君なの?4組の?」
「・・ああ、何組か覚えてないけどすずめだよ」
実はワシ、中学時代の記憶が曖昧で、自分のクラスもクラスメートもあまり覚えていない。目の前にいる彼女も誰なのかわからなかった。
「えー、昔は髪が茶色くて細くて・・色気があったよね・・」
そのかつての少女は言った。
「髪型もいつもきまってて、かっこよかったなぁ!!」
隣りに座っている元水泳部の堀切もしみじみと言う。ちなみに堀切は髪型すら変わっていない。
「ま、まぁ昔の話だよ・・」
相変わらず周りはワシを不思議そうに見ている。
誰かが言った。
「今日、この同窓会に100人以上が参加したけど、すずめ、お前が一番変わったよ」
「そーかい?」
手渡された卒業アルバムを見ると、若くて髪型がキマってるカッコよい「すずめ君」がこちらを見ていた。

ぶるぶるぶる。
iPhoneにfacebookのメッセージが着信している。
「いま、柏駅で同窓会してるよ。こよーよ!(原文ママ)」
毎月1回、土曜の夜に行なわれる自治会の集会が終わる頃こんなメッセージが届いた。
発信者は小川だ。
小川とは小学校と中学校が一緒で、漫画を描いて遊んでいた友達だが、卒業してからは高校時代に一度会ったきりだ。
それが最近、facebookを使って小川がワシを見つけ出した。
しかしそれはfacebookだけの付き合いなので、実際に高校以来会ったことはない。
お互い結婚をし子供も授かったわけだし、いろいろと積もる話もある。
一度会いたいと思っていた。
柏駅に着くと、二次会が始まるところだというので東口にある洒落た洋風の飲み屋へと急ぐ。
その店へと続く路地の曲がり角で、なにやら大型の動物に出くわした。
小川だ。
「よう、久しぶり」
「!?・・すずめ?・・お、おおお!!!」
ワシの変わり様に驚いているようだ。
歩きながらワシは言った。
「お前、ぜんっぜん変わってねーな。歩きかたまで同じだぜ」
「か、変わったよ!!」
子供の頃から変わらないそのプーさんのような風体で小川はそう言った。
その洒落た飲み屋は2階にあって、階上の入り口で受付しているために、階段の下まで「同窓生」たちで溢れている。
そこに岡田くんがいた。
岡田くんも小学校の低学年の頃、ワシと漫画を描いて遊んでいた友達だ。絵を描く楽しさを彼は最初に教えてくれた。
「岡田あきひさだろ?」
「・・・・・そんでさぁ・・ぺちゃくちゃ・・」
完全に無視された。
岡田くんの頭の中では、この坊主頭でメガネでヒゲの丸い顔したおじさんを自分のデータベースに照会し、一致する顔がないと判断すると瞬時に危険回避行動をとったと思われる。
変な人にからまれないための緊急的措置なのだろう、仕方がない。
列が進み入り口の受付までやってきた。
「すずめだけど、いくら?」
するとそこにいたガタイの良い男が言った。
「!?・・・すずめ?」
「だれ?」
「河村だよ!!」
「おお!河村!?」
「変わったな!」
「お前もな!」
河村とは中学時代、水泳部で一緒だった。
一年のときにニュージャージーから引っ越して来た帰国子女で、ワシが初めて接した、リアルな「アメリカ文化」そのもののような存在だった。
ワシにクワイエットライオットを教え、趣味は1ペニーの収集、乗ってる自転車は本場のBMXで、前ブレーキは左側のハンドルに付いていた。
運動神経は抜群、勉強も学年トップクラス。
ただ、細身でつり目にメガネを掛けたその風貌はカマキリに似ていた。
しかし目の前にいるその男の顔は以前より丸くなり、アメフトで鍛えたその体は胸板が厚く腕も太い、それにトレードマークのメガネはもう掛けていない。もはや「カマキリ」ではなかった。
店内へ入るとそこには数十人のかつての中学生が酔っぱらっていた。
「お前誰?」
少し濃いめの顔をしたおっさんが声をかけて来た。
「お前こそ誰だ」
すると近くから「ダイヤ」だよという声が聞こえた。
小学校の低学年の時にワシのクラスにソ連から転校してきたハーフロシアンだ。
「ワシはすずめだ」
「!?・・すずめ?」
周りを見渡すと、皆が不思議そうにワシを見つめている。
「すずめ・・・うそだろ・・・」
黙って席に着くと目の前の見覚えのない女性が声をかけて来た。
「・・・すずめ君なの?4組の?」
「・・ああ、何組か覚えてないけどすずめだよ」
実はワシ、中学時代の記憶が曖昧で、自分のクラスもクラスメートもあまり覚えていない。目の前にいる彼女も誰なのかわからなかった。
「えー、昔は髪が茶色くて細くて・・色気があったよね・・」
そのかつての少女は言った。
「髪型もいつもきまってて、かっこよかったなぁ!!」
隣りに座っている元水泳部の堀切もしみじみと言う。ちなみに堀切は髪型すら変わっていない。
「ま、まぁ昔の話だよ・・」
相変わらず周りはワシを不思議そうに見ている。
誰かが言った。
「今日、この同窓会に100人以上が参加したけど、すずめ、お前が一番変わったよ」
「そーかい?」
手渡された卒業アルバムを見ると、若くて髪型がキマってるカッコよい「すずめ君」がこちらを見ていた。
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プロフィール
HN:
すずめ映像
年齢:
53
性別:
男性
誕生日:
1972/02/22
職業:
映像つくる仕事
趣味:
映画みたり、絵かいたり
自己紹介:
管理人のすずめです。
松葉町に住んでます。
子どもが二匹います。
放射能が嫌いです。
よろしくお願いします。
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