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銃が来た!

「何?」って聞き返したくなりますよね。

もう一度言いますわ。

「銃が来たぞ、コノヤロー!」

BB弾じゃないですよ。鉛の弾が出るやつです。

我が家に散弾銃(ショットガン)がやって来たんです。

突然そんなこと言われても「はぁ?」って感じでしょう、わかります。

まあ話せば長いのですが。。。



遡ること5ヶ月、それは10月初旬のこと。

ワシは警察署の生活安全課の前にある廊下のベンチに、チョコリンと座っておりました。

「お待たせしました、で、今日はどういった御用件で?」

女性私服警官のSさんはワシに向かって言いました。

「あのう、ワシ、銃が欲しいんですが・・」

「・・・・・えーっと・・・・・・猟銃の申請ですか?」

「ああ、それです!猟銃!バキューンってやつ」

「いろいろ大変ですよ、許可が下りるまでに時間はかかるし、お金もかかりますし・・」

「は、存じております!どうしても狩猟とクレー射撃をやりたいものですからぁ!!」


正直言いますと、ワシは子どもの頃にスタローンのランボーを見て以来、銃が大好きでありまして、
学校(小学校)にまでコンバットマガジンを持ち込み、日々銃の絵を描きまくっていたほどです。

高校時代には友達とサバゲにはまり、エアガンを何挺も持っておりました。
今でも子ども部屋には銃がゴロゴロ転がってます。

小学6年の時点で将来の夢はアメリカ兵。

中二の頃はジャングルでベトコンと戦うのを夢見たシャイな14歳。



しかし大人になるとそんな夢は所詮おとぎ話となりまして、銃とは無縁の生活を送ります。

ある日、取材先の戦場カメラマンのお宅にて、ライフルケースが転がっているのを見かけました。

「あのぉ、こりはエアガンか何かのケースですか?」

「ああ、それは実銃のですわ」

不肖戦場カメラマンは言いました。

「え、この日本で実銃なんて持てるんですか?」

「持てますよ、許可さえ下りれば」

まあ、よく考えりゃ日本にも猟師さんはおるし。
狩猟と標的射撃という目的であれば、銃を所持することができるわけです。

それから十数年。

想いは募り・・ついに・・ワシは・・ワシは・・

子どもも小学校だし手もかからん、40歳も過ぎちゃったし、無性に獣を獲って喰いたいし、

やるなら今しかねぇー!!ウォー!!




警察署の生活安全課の前。

「・・・わかりました・・では、初心者講習は来月ですから、この本をよく読んで勉強してくださいね」

「あざぁーっす!!」

11月に初心者講習を受けました。
午前に座学、午後に筆記試験が行われ、無事に合格。
会場には制服を着た女子高生の姿も。なんでも高校の射撃部なんだとか。
そんなんあったんならワシ絶対入るわ。
※体育協会の推薦があれば14歳からエアーライフル、18歳から散弾銃を持てます。

再び生活安全課。

「おまわりさぁーん!受かりましたぁ!受かりましたよー!!」

「はい。では次は教習射撃認定申請です」

「キョ、キョウショ、キョウシャ、キョ」

「教習射撃認定申請」

「はぁ」

「身辺調査も行いますので」

「へぇ」

「あと精神科で診断書も取ってください」

「は?」

「ご家族にもお話を伺います」

「はぁ」

「破産していない証明も必要です」

「はぁ」

「聞いてますか?」

「まぁ」

教習射撃認定申請、こいつがちょっと大変です。

銃を持つには欠格事項ちゅうもんがあります。

薬物中毒はもちろんダメ、躁鬱病もダメ、破産中の人もダメ、
過去に犯罪を行なった人も刑期が終わってから3年とか5年とか10年経たないとダメとか、
DV夫もストーカーもダメ、同居人がヤクザもダメー!



まあいろいろとあります。

銃を所持する人は、心穏やかで、正直者で、皆に迷惑をかけない人格者でなければならないのです。

家族に嫌われていても持てません。

近所の人たちや自治会の会長宅、場合によっては会社の上司のところまでおまわりさん達は聞き込みに行きます。
いきなり「すずめさん、銃を所持しますが」と言われてもビックリしますから、
事前にワケを話しておきました。

家族も警察署に呼び出され、アレコレ聞かれます。

そして待つこと一月とちょっと。

「教習射撃認定がおりました」

「きゃっほーい!」

警察署で弾の購入許可ももらったし、イヤープロテクターも買ったし、射撃場へ予約だ!

翌週、成田の射撃場にて。

午前に座学、午後は実弾を使って教習を受けます。
初めて持つ実銃はズシリと冷たく重いです。

射台に入って実弾を装填。
15メートル先からストレートに飛んでいくオレンジ色のお皿を撃ちます。

「ドンッ!」

弾を撃ち出す衝撃が、銃床から右肩にドスンと伝わります。

「こ、これが実弾の衝撃か・・」

ホケ~っと感動に浸りながら気がつくと50発を撃ち尽くしています。

「残り25発で試験を行います。25発中2発命中で合格!」

ホケ~っと14発命中で無事に合格。

警察署へ電話します。

「せんせー!合格しましたっ!!」

「はいはい。購入する銃が決まりましたら必要書類を持ってまた署に来てください」

ワシが受講した初心者講習と射撃教習で担当だった教官が松戸で鉄砲屋さんをやっています。相談することにしました。

「で、すずめさん、どうしましたか?」

「いや~最初の銃は何がいいかと思って悩んでるんですよ」

「で、どうしたいの?」

「最初はレミントンのM870とかいいかなぁと思ったんですけど・・コールオブデューティーとかバトルフィールドで使ってるじゃないですかぁ・・カッコいいですよね~」

「はぁ・・コールなんとかとか、よくわかんないけど、まずは目的をハッキリしないと」

「・・・まあ・・トラップ射撃とスキート射撃と鳥猟と大物猟をやりたいです」

「あー、全部ね」

「えー、まあ」

「それだとM870みたいなスライドアクションだと難しいですね・・スポーティング銃はどうです?」

「なんですか?それ」

「見た目は教習射撃で使った上下二連銃と同じだけど、銃身の先の絞りを交換すれば、どんな射撃にも対応ができるんです」

「ほお!」

「もちろんスラッグ弾(一粒弾)も発射できます」



散弾銃は銃口の出口の広がり具合によって散弾の広がり方が変わり、標的の距離によってその「絞り」を変える必要があります。
スポーティング銃は、その絞りをチョークという銃身の先に取り付ける部品を交換することで様々な射撃に対応します。
※スライド銃や自動銃でもチョーク交換式や銃身交換式があります。
ちなみに 絞りのきつい銃口では大物(イノシシ・シカ)を倒すスラッグ弾(一粒弾)は撃てません。




「中古だし、まけときますよ」

「それください」

テンションマックスで前金なのに全額支払い、警察署へ向かいます。

「おまわりさ~ん!決まりましたぁ~!ワシの銃、すげーカッコいいで~す!」

「はい。書類を拝見」

「ワクワク、ワクワク」

「では、今から面接を行います」

「はい~!」

面接が終わると、おまわりさんが家の中を確認したいと言います。
銃を保管するためのガンロッカーの確認です。

「ピンポーン」

玄関を開けると女性私服警官Sさんがバッジを掲げています。

「警察です( ー`дー´)キリッ」

「アイ ノー」

ガンロッカーは固定されているか、弾薬や火薬を保管するロッカーは別の部屋に固定されているかを確認して行きました。

この時点で1月の末です。



そして約一月。

「すずめさん、許可が下りましたよ」

「きゃっほーい!」

警察署で許可証を受け取り、ダッシュで鉄砲屋さんへ向かいました。

「早く許可がおりましたね普通35日かかるのにね」

「てへへ」

「銃のハードケースも付けときましたよ。洗い矢(銃身内を掃除するやつ)とクリーニングオイルもね」

「てへへ」

その翌週。

鉄砲と許可証を持って警察署へやって来ました。
最後の確認です。
この確認が終わり、もう一度ガンロッカーのチェックが終われば、あの中古のスポーティング銃は晴れて我が愛銃へと昇華するのです。

「おはようございます!いやーいい天気ですねー!!」

「はい。書類を拝見。銃をそこに出してください」

「ここで・・ですか?」

扉を開けてすぐの受付っぽい台の上で銃を組み立てます。

ガチャリ、ガチャリ

なんか、ワシを始め課員の皆さん、一般の人たちに妙な緊張が走ります。

ゴクリ・・

「で、でけました」

「・・・・・銃身長、全長、ナンバー、すべて問題ありませんね」

おまわりさんが許可証にトンッとハンコを押してくれました。
その日のうちにガンロッカーの確認も終わり、3月初旬、こやつはワシのシャーリーンとなりました。




翌日、成田射撃場。


「バコーンッ!!」

「ドコーンッ!!」

初めて自分の銃でオレンジの皿を割りました。
半分も割れませんが、一生懸命練習すれば上手くなるのでしょうかね。

家に銃を持ち帰ると、長男ユウリと次男シュリ坊は一言、

「お、オリンピアじゃん」

FPSゲーム「ブラックオプス」に出てくる上下二連銃のことらしいです。

※所持者本人以外の者に銃を触らせるのは銃刀法違反になりますよ。もちろん、家族もダメっ絶対!(警察官や銃砲店の人、指導教官などは除かれます)





拍手[5回]

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明けましたね。
おめでとうございます。

本年も「すずめの話」をどうぞ温かい目で見守ってやって下さいませ。

昨年は4コマ漫画「手裏タン!(シーズン1)」を公開しましたが、残り6本のお話しを今回載せますので、暇つぶしにどうぞ!

今年は昨年末から制作中の「すずめの話特別編『マケズギライ(仮)』」を早めに完成させますよ。そんで、次の短編映画の制作を始める予定です。楽しみですなぁ!

もちろん一コマ漫画も続けますので、そちらも暇な時に見てやって下さい。

本年もバ家族一同、よろしくお願い申し上げます!



【手裏タン!第8話】



【手裏タン!第9話】



【手裏タン!第10話〜最終回〜】

ついに第1シーズン最終回!
果たして第2シーズンはあるのか!? ないのか!?



1年間、ご愛読ありがとうございました!
需要があれば第2シーズンもあるかも!

すずめの話特別編「マケズギライ(仮)」
も相変わらず制作進行中!



拍手[6回]

おはこんばんちわ。

お久しぶりです。

100回記念に4週間費やしましたよ!





大げさに言ってみましたが、なんだかんだと忙しかったので朝早起きして絵を描いたり、土日の空いた時間にちょこっと描いたり、そんなこんなで一ヶ月もかかってしまったのです・・・と、言い訳がましくしてみました。

まあ、“言い訳がましい”には理由がありまして。

先日お仕事の関係で飲んでいたところ、あるお方に「すずめさんがブログ書いてると暇なんだなぁ〜って思う」と言われました。

た、確かに暇な時はたくさん書きますよ・・・しかし、投稿しているからといって決して暇ではないんです!忙しい中でも努力して書いてるんですよぉ!忙しいんです!

だから

決して、
断じて、まったくもって皆さんからいただいたお仕事をすっぽかして書いてる訳じゃあ、ないんですからねーーー!!
からねーからねー


と、言いたい。

冒頭から言い訳ぶちかましてみましたけどね。

そう言いたい。



今回は100回記念です。

まあ記念と言っても、このブログはダラダラと書いて来たし、

ひとの映像勝手に貼付けたりしたし、

「しばらく休みます!」的な告知だけの回があったりと、まあズルの回も多々ありました。

でも100回は100回ですから、記念的な何かをやろうじゃないかと、パソコンの前で一人で意気込んでる次第であります。
だって100回ですから。


だいたい「〇〇回記念」とかテレビの企画だと「今までの放送を振り返り」みたいな?「あの時はこうだった!真実はコレだぁ!!」みたいな?
そんなつまんない、「それ前にも見たわ!」とか鼻ほじりながら見るような企画がほとんどですが、

『すずめの話』も過去を振り返ってみようと思います。

初まりは、平成22年6月。

きっかけは


暇だったから





すげー暇だったから



死ぬほど暇だったので、食いぶち探してたところにこのブログのスペースを借りている『忍者』さんの「Manga AD(当時)」が「漫画を描けば稼げるぜ!」みたいなこと言ってたので、一コマ漫画を描いたのが初まりです。



結果は不採用でしたけど、ここからブログを始めたんですね。

ちなみに結果に不満を持ったワシはブログで毒づいて、スタッフの方に気を使わせるといった事をしでかします(コメント欄参照)

そして、いきなりすげー飛んで平成23年。
もう22年とかどうでもいいですよね。記憶が3つ4つしかないし。

23年と言えば、いきなり女房の誕生日に豊Pが死にます(2月1日)。



そして一ヶ月後には311。

でっけー地震が来ましたよ。

ワシがいた日本橋茅場町のボロビルも結構揺れました。

ワシがいた会議室を取り囲む天井の高さほどもある資料の書籍が詰まったスチール棚がワシと放送作家の伊藤さんに襲いかかり、一時閉じ込められるという事態が発生!

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その後に来たでかい余震では、経理の金子さんと机の下へ避難。

金子さん「もうだめ!!!このビルは潰れるぅー!!!!」

ワシ「・・・・(そうかも)・・・・」

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ふっ飛んだ自分の携帯を必死で探す金子さん。

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天井は落ちてくるわ、階段の壁は剥がれてくるわで制作本部は大わらわでした。

ワシが家に帰れたのは翌日の夜。

その後、スーパーでは食材は姿を消し、ガススタでは燃料が消えましたよね。
「備蓄」の大切さが身にしみました。

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まあ都内やワシの住む柏市でもこの地震で人が死にましたが、東北の衝撃はワシの精神にショックを与えましたね。

みんなにとってもショックだったでしょう。

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津波や地震で亡くなった方への鎮魂の意味を込めて。

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その後は、放射能の問題で嫌な思いをしました。

国や市に不信感が募り、こんな絵や


こんな動画も作ったりもしました。


今でも放射能問題は身近な問題ですし、どのみち貧乏人のワシらはここに住んで生きてく訳で、子を持つ親としては何年も心配していかなければなりませんけどね。

なんか、平成22年の6月から振り返ると、311の衝撃が大きすぎて、他をあんまし覚えてないなぁ・・。

なんか描きましたっけ?

とにかく始めたきっかけが「暇だったから」とか言いましたけど、

冒頭で「投稿したからって暇って訳じゃないぞ」とか言ったのが嘘くさいですよね。

まあ、いいじゃないですか。

話し変わりますけど、ワシがこの2年近くブログの絵を描いて思ったのが、

絵が変わったなという事です。

線の太さも画像の大きさも(オリジナルの)変わりましたし、キャラクターも何か違う。

ウチの次男、シュリたんの場合。





なんか飽きて来たんで、振り返りはこれぐらいにして特別企画の話でもしよっかな(鼻ほじってる)。


100回 “記念” ということは何かしなくてはいけないんだろうということで、(勝手に思ってるだけですけど)一応いろいろと考えてみました、行事をね。

100回記念特別企画第1弾!! ドーーーーン!

「貰っても使い道がわからないカードぉ」!

テンパってるドラえもんが出しそうな道具です。

カードは2種類あるんですが、一つは使い道あります!

例えば、お客様との打ち合わせや合コンなど、人と接するときに相手が不愉快な振る舞いをすることが、時にはありますよね。そんな時にこのカードをニコニコしながらスッと相手の目の前に差し出しましょう。口に出さずとも自分の感情を相手にアピールできる優れものです。

決して周りには気づかれません。

カードも一見すると可愛らしい長男と次男、そしてワシが愛らしく何かをアピールしています。







手元をよく見てみると、、おや?、、、中指が?、、、、






立っているぞ!?





これは「ファックユー」ですね。

もしくは「ファックオフ」です。




不愉快な人にはこのカードを差し出しましょう。

きっと破り捨てられるか、

外人ならパンチしてくると思います。


そしてもう一枚。


これは、あまり意味はないんですけど、

ワシと長男ユーリ、そして次男のシュリ坊が大好きな『ゾンビ』をテーマに書き下ろした「SUZUME of the DEAD」カード。

会議中や飲み会で、グロイのが嫌いな人に嫌がらせしましょう。

盛り上がっている最中にスッとこのカードを輪の中心におけば、一気に場の空気が凍ること間違いなし!


グロ注意↓































この2枚のカード(名刺サイズ)をそれぞれ100枚印刷しますので、欲しい人は「sparrowcomp@gmail.com」までメールをどうぞ!

2枚一組でお送りします!!


そして、特別企画第2弾!!ジョワーーーン!!

去年、311以降仕事がなくて暇してたので、4コマ漫画を20本ぐらい描きました。

なので、

今年は4コマ漫画『手裏タン』シーズン1を適当にお送りします!!

それでは!良いお年を!

拍手[10回]

「では本日はこれでお開きとなります」

ぶるぶるぶる。

iPhoneにfacebookのメッセージが着信している。

「いま、柏駅で同窓会してるよ。こよーよ!(原文ママ)」

毎月1回、土曜の夜に行なわれる自治会の集会が終わる頃こんなメッセージが届いた。

発信者は小川だ。

小川とは小学校と中学校が一緒で、漫画を描いて遊んでいた友達だが、卒業してからは高校時代に一度会ったきりだ。

それが最近、facebookを使って小川がワシを見つけ出した。

しかしそれはfacebookだけの付き合いなので、実際に高校以来会ったことはない。

お互い結婚をし子供も授かったわけだし、いろいろと積もる話もある。
一度会いたいと思っていた。



柏駅に着くと、二次会が始まるところだというので東口にある洒落た洋風の飲み屋へと急ぐ。

その店へと続く路地の曲がり角で、なにやら大型の動物に出くわした。


小川だ。


「よう、久しぶり」

「!?・・すずめ?・・お、おおお!!!」

ワシの変わり様に驚いているようだ。

歩きながらワシは言った。

「お前、ぜんっぜん変わってねーな。歩きかたまで同じだぜ」

「か、変わったよ!!」

子供の頃から変わらないそのプーさんのような風体で小川はそう言った。


その洒落た飲み屋は2階にあって、階上の入り口で受付しているために、階段の下まで「同窓生」たちで溢れている。

そこに岡田くんがいた。

岡田くんも小学校の低学年の頃、ワシと漫画を描いて遊んでいた友達だ。絵を描く楽しさを彼は最初に教えてくれた。

「岡田あきひさだろ?」

「・・・・・そんでさぁ・・ぺちゃくちゃ・・」


完全に無視された。

岡田くんの頭の中では、この坊主頭でメガネでヒゲの丸い顔したおじさんを自分のデータベースに照会し、一致する顔がないと判断すると瞬時に危険回避行動をとったと思われる。

変な人にからまれないための緊急的措置なのだろう、仕方がない。

列が進み入り口の受付までやってきた。

「すずめだけど、いくら?」

するとそこにいたガタイの良い男が言った。

「!?・・・すずめ?」

「だれ?」

「河村だよ!!」

「おお!河村!?」

「変わったな!」

「お前もな!」

河村とは中学時代、水泳部で一緒だった。

一年のときにニュージャージーから引っ越して来た帰国子女で、ワシが初めて接した、リアルな「アメリカ文化」そのもののような存在だった。

ワシにクワイエットライオットを教え、趣味は1ペニーの収集、乗ってる自転車は本場のBMXで、前ブレーキは左側のハンドルに付いていた。

運動神経は抜群、勉強も学年トップクラス。

ただ、細身でつり目にメガネを掛けたその風貌はカマキリに似ていた。

しかし目の前にいるその男の顔は以前より丸くなり、アメフトで鍛えたその体は胸板が厚く腕も太い、それにトレードマークのメガネはもう掛けていない。もはや「カマキリ」ではなかった。

店内へ入るとそこには数十人のかつての中学生が酔っぱらっていた。

「お前誰?」

少し濃いめの顔をしたおっさんが声をかけて来た。

「お前こそ誰だ」

すると近くから「ダイヤ」だよという声が聞こえた。

小学校の低学年の時にワシのクラスにソ連から転校してきたハーフロシアンだ。

「ワシはすずめだ」

「!?・・すずめ?」

周りを見渡すと、皆が不思議そうにワシを見つめている。

「すずめ・・・うそだろ・・・」

黙って席に着くと目の前の見覚えのない女性が声をかけて来た。

「・・・すずめ君なの?4組の?」

「・・ああ、何組か覚えてないけどすずめだよ」

実はワシ、中学時代の記憶が曖昧で、自分のクラスもクラスメートもあまり覚えていない。目の前にいる彼女も誰なのかわからなかった。

「えー、昔は髪が茶色くて細くて・・色気があったよね・・」

そのかつての少女は言った。

「髪型もいつもきまってて、かっこよかったなぁ!!」

隣りに座っている元水泳部の堀切もしみじみと言う。ちなみに堀切は髪型すら変わっていない。

「ま、まぁ昔の話だよ・・」

相変わらず周りはワシを不思議そうに見ている。

誰かが言った。

「今日、この同窓会に100人以上が参加したけど、すずめ、お前が一番変わったよ」

「そーかい?」

手渡された卒業アルバムを見ると、若くて髪型がキマってるカッコよい「すずめ君」がこちらを見ていた。


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拍手[5回]

え?

知らなかった?

「すずめの話」にフェースブックページがあったって・・

?・・・うん・・・そうだよ・・誰でも見れるんだよ・・・

まだ8人しか「いいね」してないんだよな・・・

アカウント持ってなくても大丈夫なんだってばよ、8人しか「いいね」してないけど。

うん・・・大丈夫だって、そば食いながらでも・・・8人ともそうだったし。

そう、8人ともそば好きだよ。


だからいいよ!それで!・・・おろしそばでも!ワシは食わねーけど。

おまっ・・8人ともおろしそばなわけねーだろ・・。

だから、8人はおろしそばに「いいね」したんじゃねーよ!

べつに嫌いじゃないだろうけど・・

だから嫌いって言ってないって!


そこまで嫌ってねーよ!どちらかと言えばちょっと好きな方だよ、うん。



・・・そんなのわかんねーよ!8人の好きなそばの種類とか。


だから「何そば?」って聞くな。


いろいろあるでしょ、とろろそばとか、天ぷらそばとか、




・・・知ってるよ!天ぷらそばが天ぷらを練り込んだそばじゃない事ぐらい・・

だいたいそんな「そば」ないだろ。


8人とも知ってるよ!天ぷらそばのこと・・

てか普通知ってんだろそれぐらい・・







・・・うん、食えば勝手に・・天ぷらそば・・・





・・いいよ、正座して食べても・・いちいち聞くなよ・・




・・なんでチンチン立ってんだよ!何想像しながら食ってんだよ。




いいから早く正座しながら天ぷらそば食いながら「すずめの話」のフェースブックページ見ながら「いいね」ボタン押してよ。


9人目になってよ。


いいよ、みんなとそばの種類が違くても・・



だいたいみんな好み違うだろ。







てかウソだから、みんなそば好きって・・












・・・なぁんで漏らしてんだよ!!タタミ!タタミ!!おーい!なんでおしっこ漏らしちゃうんですか??

おーい、食い続けるな食い続けるな・・・タタミタタミ・・・




ごめんごめん!ついウソつく事になっちゃって・・・


でも普通おしっこ漏らす前に泣くでしょ・・・





てか漏らす?おしっこ・・・54にもなって・・





え?何?・・・・・嬉しい?・・心配してくれて?



別に心配してないでしょ、泣かなくていいから・・・確かにおしっこ漏らしちゃうところは心配だけど・・・・もう早くパンツ脱ぎなよ・・びちょびちょだから・・

ああ、押したよこいつ・・やっと今押したよ「いいね」ボタン・・・




うん?・・次ボタン押す人は、正座しながら天ぷらそば食いながらウンコしながら「いいね」ボタン押して欲しいって?




・・・いいね!




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拍手[3回]

豊Pさんが亡くなって3ヶ月以上が経ちました。

・・え?・・まだ3ヶ月?

今年に入って色々なことが起こりすぎて、どうやら時間の感覚がおかしくなっているようです。



1月の末に豊Pさんとの別れの日がありました。

最後に会って、会話をした日ということです。


その日は豊Pさんとは関係ない別番組の打ち合わせに茅場町まで来ていました。

最低で1ヶ月に数十分しか会社にいない豊Pさん。(撮影だったり、編集だったり、打ち合わせだったり、酒飲んでたり、その他のサボリだったりする為)

珍しく自分の席に座ってパソコンいじってます。

「お、珍しいじゃないっすか、会社にいるなんて。エロ動画でも見てんすか?」

「エロはワシらの大事な趣味ですもんね」

ゆっくりと振り返る豊Pさん。

「・・・え?・・我が輩は生き甲斐そのものだと思ってたよ。あんたとは違うね」

「・・・はあ・・」

デスクのハマイさん「豊Pさん、局Pから連絡があって○○をお願いしたいそうです」

「まったく!みんな僕ちゃんがどれだけ忙しいかわかってないんだよな!!もう!」


パソコン画面はテトリスでした。

それがワシの豊Pさんとの最後の思い出です。



1ヶ月半後。

震災の日、茅場町にワシは打ち合わせに来ていました。

6階にある制作本部はけっこう揺れて、天井近くまである本がぎっしり詰まったスチール棚で仕切ってあるその会議室は、棚がどんどん崩れて、フロア全体を見渡せるようになってしまいました。

「はぁ〜、死ぬかと思った」

制作本部も棚が崩れたり天井が落ちたり、皆の机の上もメチャクチャです。

唯一散らかってないのは豊Pさんの机だけ。

電話とテレビと多少の書類だけですからね、乗ってるのは。


あの日、豊Pさんが生きてたらどうしたかなと考えます。


「俺達も行った方がいいんじゃねぇのか?東北に!(撮影しに)」

とか言い出したかも。

それでワシをのけ者にしたでしょうね。

「F川は何かあってもどうせ引き取り手すらいないから良いけど、あんたは子供と奥さんいるんだから」

とか言って。

ワシの中ではそういうタイプの人だと思ってます。

が、おそらくF川さんは「そんなカッコいいこと言うわけないでしょ、あのジジイが!それどころかF川お前一人で行ってこいとか言うに決まってますよ!」

とか言うでしょうな。

まあ、そういうことも言いそうですが。

相変わらず新橋には豊Pさんのボトルが続々更新されているそうです。

F川さん曰く「永遠とボトルを更新しましょう。そんでもってあのジジイを成仏させずに新橋から出られないようにしてやりましょうよ!」

恐ろしかぁ・・。


豊Pさんが亡くなったのは2月1日でワシの女房の誕生日。

死ぬタイミングまで豊Pさんらしいです。

『ちょうどいいでしょ、いっぺんに出来るんだから、我が輩の命日と奥さんの誕生日・・・どう?』


■■■

豊Pさんとの最後の思いで。

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拍手[2回]

みなさんはゴールデンウィーク、どうお過ごしですか?

なんて、天気予報のお姉さんみたいなこと聞いてみましたが。

ワシは仕事です。

仕事の合間にちょっとずつ絵を描いて更新しました。

なんですな、仕事がなく暇なときは

「うぉい!仕事ぉ!仕事ぉ!」

なんて目が血走ってるくせに、

いざ仕事が入って、お休み返上しなければならんとなると

「え〜〜〜〜〜、仕事ぉ〜ん????」

とか言ってやる気が出ないのは、ワシが坊ちゃん育ちだからでしょうか?(ウソ)

まあ、そんなやる気のないワシは、新しく「すずめの話」のfacebookページを開設しました。

なぜ、そんなことするのか、

「ブログだけでいいじゃぁ〜ん」

とか思うでしょうが、最近、漫画以外のことも書きたくなったりしまして、漫画はブログで、それ以外はfacebookページで記事を書こうと思ってます。

まあ、ワシらの素顔はさらせないですが、画像もアップしますし(予定)

気になる動画のリンクなども皆さんに発信したいですし(予定)

もともとワシの正体をしっている友人たちは、facebookの個人ページでワシの下品で稚拙な投稿にゲロ吐いてると思いますが、皆さんにもそれと同じもの、いや、それ以上のものを提供していこうと思ってます。

ちなみにfacebookページは、facebookをやっていなくても見ることができます。

お気軽に訪問して、「いいね!」ってボタンを押していって下さい。

お待ちしております!

「すずめの話」のページ

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拍手[1回]

4月5日。
福島第一原発は未だ予断を許さず・・・。

何を信じたら良いのでしょうか?

少なくとも政府が発表するもの、

東電が公開する状況、

国民は信用していないことと思います。

「何か」に配慮しているのではないか?

「何か」を守ろうとしているのではないか?

「何か」の保身のためにワシらは犠牲になるのではないか?

疑心暗鬼になっているのはワシだけなんでしょうか。

原発の状況が好転しない中、ワシは色々と考えてしまいます。

先月、千葉県八千代市の浄水場と松戸市や流山市、そして柏市などに上水道を供給している北千葉浄水場で放射性ヨウ素が300ベクレル/1㎏(大人が飲めない基準)以上を検出していました。公表されたのは数日後・・・・・。
もう飲んでるわ!!

政府やマスコミは「大丈夫、すぐには健康に影響はない」

じゃあ、なんのための基準なんですか?

気象庁が震災直後からおこなっている放射性物質の飛散予測。

国民には知らせず。

ワシらはドイツやノルウェーが日本の気象庁のデータを元に作ったシミュレーションを見て情報を得ています。

「すぐには健康に影響はない」

政府は少なくとも、ワシらや子供たちの将来の健康を軽視しているようです。

何かを勘違いしているのでしょうか?

パニックを起こさないためには、正確な情報を速やかに公開することです。

そして、国民がその情報を元に自分で判断し、行動をとれるようにするべきなんです。

国民をバカにしているのでしょうか。

そのくせ、原発から20〜30キロ以内の住民に「自主避難」を勧めるって、単なる政府の責任回避としかとれません。

この途方もない被害は、誰がどう責任を取るつもりなのでしょうか。

10年、20年以上も続く話です。

政府や東電、保安院など責任者の顔を決して忘れてはいけません。

「仇」となるやもしれん顔だからです。

ワシらは決して目を離してはいけません。

注意深く、慎重に情報を見極め、自分や家族の身を守ることです。

これは、決して大げさな話ではないのです。

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ワシらが子供の頃に思い描いた未来はこんなんだったっけ?子供たちに大きなツケを払わすことになるのか!

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拍手[4回]

意外なことですが、
外国人の方のほうが、放射能に敏感らしいです。

我が国は核攻撃を受けた唯一の国で、
原子力、とりわけ放射能というものに関しては非常に敏感かと思いきや、
米国カリフォルニアでは、福島で漏れた放射性物質に警戒してヨウ素材が完売だそうで・・。

空母ロナルド・レーガンも半径80キロまで近づかず・・。

近くに住む友人のスコット君は、岐阜へと避難するそうです(シカゴのご両親が非常に心配されているらしい)。

これからどうなるかはわかりません。

しかし、この危機的状況でも、メチャクチャに崩れた原子炉付近で決死の覚悟を持って東日本を守ろうとしてくれている人たちがいます。

東電の作業員は、電気もなく、水素爆発で負傷をし、高度な被曝を受ける危険を顧みず給水作業や電源復帰の過酷な作業をしています。

あなたたちが我々を守る最後の切り札です。

自衛隊の特殊部隊や、警察の機動隊も同様です。

皆、固唾をのんで見守っています。

無力なワシには相変わらず祈ることぐらいしか出来ませんが・・。

※ハイパーレスキューや東芝、日立などメーカーの技術者の皆さん、命がけの作業に敬服します。3/22加筆。

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地震後の混乱のなか、
近々放送予定の(延期になってしまいましたが)テレビ番組のオフライン編集を、グチャグチャになった茅場町の制作本部内で再開していました。

みんな家族と連絡を取りたがっていましたが、直後は固定電話もダウン、携帯はもちろんウンともスンとも言いません。

唯一、インターネットが通じたため、被害状況などをfacebookで知らせることが出来ましたが、肝心の家族は見ることが出来なかったのです。

やっとのこと家族の無事を確認できたのは夜の9時過ぎ、地震から6時間以上経ってました。

その間、仕事をしながらも、皆そわそわと携帯を確認していたものです。

もし被害が大きくて連絡も出来ず、帰宅も困難になれば、ワシは行方不明者となるでしょう。

そうなった場合、待っている家族は大変心配するはずです。


東北では、今なお行方不明者が万単位でいます。

そして、その家族は無事を祈って探し続けています。

親とはぐれた人、子供とはぐれた人、兄弟、学校の友達、職場の仲間、みな探し続けてます。

そして、はぐれた人たち全員が再び抱き合えることをワシは祈ってます。

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すずめ映像
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1972/02/22
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管理人のすずめです。

松葉町に住んでます。

子どもが二匹います。

放射能が嫌いです。

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